街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

ゆるやかな終末

このところの騒動による自粛ムードと物資の買い占め、どことなく世の中に漂う閉塞感。なんだかあの時と似ているように感じて気分が悪い。
歯医者さんへの通院を終えて歩いていると自宅近くに数件あるドラッグストアにはどこも人集りができていた。その光景がなんだかダサく見えてしまう。だけどみんな今を必死に生き抜こうとしていて、少なくとも僕なんかよりよほど立派だ。
インターネットでは彼らに対して批判的な意見が飛び交う、正論だと思う。実際に街で目の当たりにしているしそのせいで困っている人もいるだろうから理解できる。でも圧倒的な正義を振りかざしているようで悲しくなる。僕には何が正しいのかなんてわからないけど。
あの曲みたいにゆるやかに崩れているのだろうか。せめて穏やかな週末を過ごしたい。僕は紅茶が飲めないから、代わりにコーヒーを淹れてその時を静かに待つ。