街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

どこかの国の守り神

年明け、初詣に行った帰りに立ち寄ったエスニック系の雑貨店。店内を見ているとなんだか得体の知れないものと目が合う。やたらと目力の強いそいつは、よく見ると木彫りのペンダントだった。どうしてなのか今それを買わなければいけないと思った。思わされたのかもしれない。かくして僕の所有物となったそれの正体は今もわからない。一緒に店を訪れた人は猫だと言い張った。SNSの人たちからはミミズクじゃないかとか、フクロウに見えるといった意見をもらった。実は僕にはどれにも見えていない。どちらにせよ普段衝動買いなんて滅多にしない僕がどうしても買わずにいられなかったわけだから何かしらの力が宿っているのかもね。それが神の加護か、あるいは呪いなのかは知らないけれど。