街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年の終わりに考えること

まだ今年って何年だったっけ、という感覚すらあるのに、それももう終わるらしい。誰かと一緒に歩いたり一人になったりまた誰かが隣に来てくれたり、何度経験したって毎回変わらず気持ちの浮き沈みを繰り返している。とりあえず、映画になるほど劇的ではない…

猫とダイヤモンド

目の前を横切る猫じゃらしを捕まえた時に、猫は果たして自分が人間に捕まえさせられていることに気づいているのだろうか。僕もそう、途中で気づいたとしてもやめられない。捕まえさせられていたとしても別にいいのだ。そんなことをぶつぶつ呟いていたら「あ…

センチな夏はもう古い

撮りかけだったフィルムを使い切り、現像に出す。別にいつでも良かったのだけれどいつかは区切りをつけないといけないと思っていて、たまたまそのきっかけができただけのこと。愛は永遠だ、なんてよく聞く言葉も嫌いではないけれど、恋は供養する必要がある…

ギターケースの中で眠る

約4ヶ月続いた歯の治療をようやく終えた。ホッとしたのも束の間、鏡に映る金属の歯がダサくてテンションはダダ下がる。健康診断を受けた。問診で持病の悪化を伝えられはしたものの結果はわりとどうでもよくて、採血やら胃カメラやらをしているあたりがピーク…

いつかの後悔とか、うるさいな

何か気分を変えられるようなことをしなければいけないと思い、10年近く使っている財布を新調した。これまでと同じ、お気に入りのブランドのもの。買った翌日から早速使おうと思って中身を移し終えたあたりでこれまで使っていた財布がたまらなく愛おしくなっ…

あたたかな日々を転げ落ちる

祖父が危篤だと早朝に報せが来たのは、夏の終わりが近づいた頃だった。詳しい状況がわかったらまた連絡すると言われて仕事に行く支度を整える。平静を装ってはいたものの混乱していたのだろう。連絡をもらってすぐに向かっていれば間に合ったかもしれないの…

きみの体温がとても柔らかかった

最後の泣き顔を目に焼き付けようと思っのに、視界がぼやけてしまってどうにも難しかった。あの映画のラストみたいに、写真に撮ってしまえば良かったのだろうか。感情の瞬発力が低いのでその場で伝えるべきことをうまく伝えるのが難しい、いつかの後悔が巡る…

言葉より未来を

歳の離れたはとこがこの春から高校生になるのでお祝いを贈った、たいした金額ではないけれど。真面目なあの子がなんの役にも立たなそうなものを買ってくれたら嬉しい。で、無駄遣いと思ったそれがいつかなにかに繋がったらもっと嬉しい。先日、とある高校の…