街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

言葉より未来を

歳の離れたはとこがこの春から高校生になるのでお祝いを贈った、たいした金額ではないけれど。真面目なあの子がなんの役にも立たなそうなものを買ってくれたら嬉しい。で、無駄遣いと思ったそれがいつかなにかに繋がったらもっと嬉しい。
先日、とある高校の演劇部を追ったドキュメンタリー映画と、題材となった高校生たちの実際の舞台を観た。蔓延した疫病により様々な制限がかかる困難な時代に負けず、青春を駆け抜ける若者たち。
僕はといえば。彼らくらいの頃に他人事だと思いながら見ていた社会的な問題を大人になるにつれ一通り身をもって経験し、どうしようもない大人になった。高校時代の恩師の「しょうがねえおっさんになっちまったなぁ」という口癖が、時折頭をよぎる。
僕はそのどうしようもなさにも随分と慣れてきてしまっているけれど、彼らにはもっと希望に満ちた未来が待っているといい。どうしようもない人生も悪くないかもしれないけどね。