街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

きみの体温がとても柔らかかった

最後の泣き顔を目に焼き付けようと思っのに、視界がぼやけてしまってどうにも難しかった。あの映画のラストみたいに、写真に撮ってしまえば良かったのだろうか。
感情の瞬発力が低いのでその場で伝えるべきことをうまく伝えるのが難しい、いつかの後悔が巡る。せめてこれまでの感謝くらいは言葉にできれば良かったのに。
おそらくひとりでも生きていけるけれど、またひとりになってしまったことに馴れるまでには少し時間がかかりそうだ。まぁそんなこともある、きっとよくある話だ。