街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

なのに、ばかみたいに空は青い

夏が終わりに近づいて、例年通り思い入れのあるようなないような曲を聴きながらセンチな気分に浸る。特別夏らしいことはしていないけどひたすら暑かった、でも少し短かったかもしれない。
勤務先では尤もらしい理由をつけて希望退職が勧奨され、お世話になった人たちが大勢去っていった。今回は対象から外れていたもののいつ自分に順番がまわってくるかもしれず、いっそのこと早く自由になりたい気持ちもある。自分の意志で得たわけではないものを、果たして本当に自由と呼べるものかわからないけれど。退職の挨拶をしてくれた人たちを少し羨ましく思いながら喫煙所で見送る。よく晴れた日だった。