街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

つながりたがり

なんの気無しに宝くじを買ってみた。当たったら何に使おう。欲しいものもやりたいことも思い浮かばない。昔はたくさんあったのに、つまらない大人になっちゃったな。
わたしは大金を手にしたことがなくて、でも食べるのに困ったこともない。懸賞なんかは結構当選する方だから運は悪くないのだろうけど、たぶんちまちま使ってしまっているのだと思う。どかんと大当たり、というのは自分でも想像できない。
低所得な生活もずいぶん長くなったので、貯金や節約の知恵もそれなりについたと思う。逆にお金の使い方は相変わらずへたくそ。もっとうまくなりたいけど、そもそも使うお金がさほどなかった。
愛が欲しいな、とふと思った。世の中にはいろんな考え方があるけど、わたしは愛はお金で買えないと思ってる。でも愛する人と一緒にいるにはある程度お金がかかる。お金がないと愛を失うことがあるのも知ってるんだよ。
わたしは大切な人たちといつまでも繋がっていたいから、みんなにおいしいお酒とおいしいごはんをご馳走しようかな。宝くじが当たればの話だけど。