街角にて

どこかの街の、誰かの物語。

少し猫背のままで

目が覚める、テレビをつける。誰かの笑い声が耳元を通り抜ける。どうにか体を起こし、窓を開ける。コーヒーを入れる、食パンは焼かずに食べる。洗濯機を回す。隣人に少し気を遣いながら、換気扇の下で煙草に火をつける。今日何をして過ごすか考えているうちに洗濯は終わり、窓辺に干す。隣の建物との間にかろうじて空が見える。良く晴れていた。どこかへ出かけたいな。インターネットを眺めながら行き先を探す。そういえば観たい映画があった。せっかく晴れているのに?たまには海が見たいな。でもあの映画はもうすぐ終わりそう。着替えるのが億劫、また煙草。海は次の機会にしよう。映画の時間を調べる。今からじゃ間に合わない。映画もまた今度。今日は何をしよう。どうにか外に出ても恥ずかしくない格好に着替える。気づけば陽が落ちていた。結局近所のスーパーに行くだけ。冷蔵庫の中は満たされる、わたしは空っぽのまま。今夜も眠れなさそう。

そんな毎日をどうにかやり過ごしている。そういえば今日は誕生日だった。誰か、退屈を吹き飛ばしてくれるなにかをプレゼントしてくれないかな。